布製品の汚れ落としやシミ抜きの方法は? 使うものは2つだけ!
私たちの周りには、服をはじめたくさんの布製品があります。一口に「布」といっても素材はさまざまですし、汚れやすさも違うでしょう。「お気に入りの布製品を汚してしまったので、何とかしたい」と悩みを抱えている方も多いと思います。
そこで今回は、布製品の汚れ落としのやり方や、シミ抜きの方法をご紹介しましょう。比較的落ちやすい汚れと、落ちにくい汚れの違いは何だと思いますか?
また、シミ抜きのコツもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。この記事を読めば、布製品の汚れを落とす方法がよくわかりますよ。
1.布製品の種類は?
私たちの身近にある布製品は、
- 綿や麻などの植物繊維
- 絹や羊毛などの動物繊維
- 再生繊維
- 半合成繊維
- 合成繊維
などから作られています。この中でもっとも水洗いしやすく、汚れが落ちやすいのが綿で作られた布製品です。ですから、肌着など毎日洗濯するものをはじめとして、ハンカチやランチョンマットなどちょっとした汚れをふき取ったり汚れ防止に使われたりするものも、綿製品が多いでしょう。
その他の布製品は、洗い方を間違えるとけばだったり縮んだりするものもあります。ですから、シルクや麻、ポリエステルなどは汚さないように注意しましょう。
2.布製品に付きやすい汚れは?
では、布製品に付きやすい汚れにはどのようなものがあるでしょうか? この項では、その中の一例をご紹介します。
2-1.皮脂や汗の汚れ
主に服の袖口や襟元に付きやすい汚れです。特に夏は汗をたくさんかくので、汚れがつきやすいでしょう。わきの下などに汗をかきやすい人は、汗取りパッドや制汗スプレーなどを利用してください。
また、冬でも暖房が効いた室内にいる人は、汗をかきやすいです。ウールやアクリル製の服の下に綿の下着を着用するなどして、洗濯しにくい服が汚れないように工夫しましょう。
さらに、汗や皮脂の汚れは時間がたつとシミになる場合があります。そのため、一度着た服は必ず洗濯してからしまいましょう。汚れていないように見えても、そのまましまってはいけません。
2-2.水溶性の汚れ
醤油やお茶、コーヒー、血液など水に溶けやすくて色が濃いものが布地に付くと、水溶性の汚れになります。「ついうっかり食べものをこぼした」「お茶やコーヒーの入ったカップをひっくり返した」ということは、誰でも経験があるでしょう。適切な処置をすれば最も落ちやすい汚れです。
2-3.油性の汚れ
マヨネーズやケチャップ、口紅、ドレッシングなど油分を含んだ汚れは、水溶性の汚れより落ちにくいです。特にカレールーが洋服に付くと、「何度洗ってもとれない」というケースもあります。また、牛乳などタンパク質や脂質を多く含んだ飲みものも、油性の汚れです。
2-4.不溶性の汚れ
泥や墨汁など、いわゆる「頑固な汚れ」が不溶性の汚れになります。これらの汚れが付いた場合は、できるだけ早く落とさないとシミになってしまうでしょう。
2-5.汚れは入り混じるもの
さて、ここまで4種類の汚れをご紹介しましたが、これらの汚れは混じりあって布製品に付く場合が多いです。たとえば、ミルクの入ったコーヒーをこぼした場合は水溶性と油性の汚れが一度につくでしょう。ですから、布製品についた汚れはできるだけ早く洗濯して取り除いてください。
3.布製品のシミ抜きの方法は?
色の濃い汚れが一度に布製品についた場合、放っておくとシミになります。ですから、できるだけ早く落としましょう。付いたばかりのシミならば、家庭でも落とせます。この項では、家庭でもできるシミ抜きの方法をご紹介しましょう。
3-1.シミ抜きを始める前に
シミ抜きを始める前に、まずは布製品の洗濯表示を確認しましょう。基本的に家庭で洗濯できないものは、シミ抜きもプロに任せたほうが安心です。着物や革製品、スーツや特殊加工がしてある服のシミは、クリーニング店に依頼しましょう。
また、色の濃い布製品の場合は、不用意にシミ抜きをすると色落ちする場合があります。必ず目立たないところでシミ抜きテストを行い、大丈夫なようならシミ抜きをしましょう。なお、どのような布製品であれ水につけたら大量に色が出るものはシミ抜きできません。インド綿など外国産の色が濃い布製品は色落ちが激しいものがあるので、注意しましょう。
3-2.シミ抜きに必要な道具
シミ抜きにはいろいろな方法がありますが、基本的に
- キッチン用の洗剤
- 衣類用の酵素系漂白剤
があればシミ抜きができます。なお、漂白剤は必ず酵素系の漂白剤を使ってください。キッチン用の塩素系漂白剤は使えません。また、漂白剤や洗剤を布製品につける用具として、綿棒や古歯ブラシを使います。
3-3.シミの抜き方
家庭でできるシミの抜き方は、それほど難しくありません。シミの部分にキッチン用の洗剤をつけ、軽くもみほぐします。水溶性と油性の汚れが混じっていても、この作業で分離できるでしょう。キッチン用の洗剤は油汚れも水溶性の汚れも落ちる優(すぐ)れものです。優しく布製品をもみほぐしたら、シミの部分だけ水洗いしましょう。これで落ちているようであれば、改めて洗濯します。
落ちないようであれば、シミの部分に古歯ブラシや綿棒で漂白剤をつけましょう。トントンと優しく漂白剤をしみこませてあげれば、たいていのシミは落ちます。後は、改めて洗濯してください。
3-4.落ちないシミは無理をしないこと
前述したように、水溶性の汚れは落ちやすく不溶性の汚れは落ちにくいです。特に墨汁や泥の汚れは、クリーニング店でも完全に落とせないことも多いでしょう。ですから、習字をするときや屋外で激しい運動をする場合は、汚れてもよい服装で行ってください。
また、ベンジンやマニキュアの除光液でシミを落とす方法も紹介されていますが、やり方を間違えると布地を傷めてしまいます。漂白剤を使って落ちないシミは、クリーニング店に任せたほうがよいでしょう。さらに、シミを落とそうとごしごしこすると衣類がけばだってしまいます。シミ抜きは優しく行ってください。
3-5.シミ抜きは時間との勝負
シミは時間がたつほど落ちにくくなります。ですから、シミをつけたら一刻も早く落としましょう。出先で布製品を汚してしまったら、帰宅後にすぐシミ抜きをします。家庭で洗えない衣服の場合は、早めにクリーニングに出しましょう。比較的落ちやすい水溶性のシミも、時間がたつとプロでも完全に落とせなくなる場合もあります。
おわりに
今回は布製品についた汚れの落とし方をご紹介しました。
まとめると
- 布製品は綿のように水洗いに強いものから、絹や羊毛のように洗い方に工夫が必要なものまで種類がある
- 布製品につきやすい汚れは「汗・皮脂汚れ」「水溶性」「油性」「不溶性」の4種類だが、これらが混じりあって付く場合が多い
- 汚れは早いうちに洗濯すれば落ちる
- シミが付いたら、キッチン用洗剤と衣類用の酵素系漂白剤で落とす
- 家庭で洗えない布製品についた汚れは、クリーニング店に依頼しよう
ということです。
「ついうっかり」は誰にでもあります。ですから、絹など洗濯が難しい衣服を着ている場合は立ち振る舞いに十分注意しましょう。食事の際はナプキンやハンカチで汚れを防ぐことも大切です。また、子供は衣服を汚しやすいですから、できるだけ洗濯がしやすい綿製品の衣服を使いましょう。